Windows 7の見所

Future Technology Daysに行ってきたので忘れないうちに書く。基本的には企業向けの"ソリューション"が紹介されていたけれども、個人が楽しめる技術もちょっとあったので紹介。

BitLocker To Go

USBドライブなども暗号化できるようになった。この機能によりWindows 7で暗号化したUSBドライブは、BitLockerToGo.exeだけが書き込まれたドライブとして見えるようになる。このBitLockerToGo.exeを実行すると、認証情報の入力を求められ、認証に成功すると本来のデータが利用できるようになる。


Windows 7では認証が成功すると、通常のドライブとして使えるようになる。一方、それ以前のOSではBitLockerToGo.exe専用UIからの参照と複製のみができる状態になる。以前のOSでそのUSBが使えない、あるいは暗号化されないということにはならないが、ファイルを追加できなかったり、開くにもいちいちローカルへコピーしないといけない。良い機能だと思うが、変更はできるようにしてほしい。


ちなみに、私は過去2回、データ入りのUSBを紛失しているので期待は大きい:)

VHD Boot サポート

vhdファイルをisoファイルのようにマウントすることができる。vhdファイルはVirtual Hard Diskで、Hyper-Vの仮想ハードディスクファイルである。これを、「ディスクの管理」から、ひとつのボリュームとしてマウントすることができる(作ることもできる)。当然、マウントされたボリュームにはドライブレターが割り当てられ、普通に読み書きできるようになる。非常に、面白い。


さらにこのボリュームからブートできるらしいが、これはやり方がわからなかった。V2Pとして使うことをまず想定しているらしい。この機能については「今のところは、何に使うのさ、という感じがするかもしれないけど、MSはこれを使っていろいろやりたいと考えている」といった趣旨のことを言っていた。イイヨイイヨー。

プロセスリフレクション(Process Reflection)

フォールトトレラントヒープ(Fault Tolerant Heap)

パフォーマンスが大幅改善!? Windows 7の実像によると、

「Fault Tolerant Heap」と呼ぶ機能では、OS側でアプリケーションのメモリーリークを検知することで、メモリーリークがシステム全体に影響を与えないようにしている。
(中略)
 さらに、アプリケーションが動作中にクラッシュを起こすと、Windows 7が自動的にクラッシュした原因を分析する。そして同じアプリケーションを起動した時には、クラッシュを回避する対策を施し、アプリケーションが安全に動作するようにする「Process Reflection」機能も用意されている。

また、Windows 7 の概要ドキュメントによれば、

信頼性: Windows 7 の信頼性に関して強化された点として、一般的なメモリ管理の問題を解決するフォールト トレラント ヒープ、診断機能による破壊を減少させるプロセス リフェクション、……

らしいが、講演では、Fault Tolerant Heapのデモとして、ヒープ管理に問題がありクラッシュするアプリを使い、1度目の操作のクラッシュで問題の分析を、2度目の操作のクラッシュで問題の修復を、3度目の操作で問題が自動修復されクラッシュしなくなる様子を紹介していた。きもい、きもすぎる! どうやってるんだ?


自宅でいくらかヒープ汚染で落ちるプログラムを書いてみたが、機能する様子がなかった。デモに使っていたバージョンはビルド7000だったので、自宅でも機能すると思うのだが……。詳細な技術情報がほしいところ。

その他新要素一覧

Windows 7 概要 プレゼンテーションより転載。「RDPの拡張」は一言で済ませているけれども、シングルサインオンが実装されたり、RemoteAppの各ウインドウへのリンクがローカルのスタートメニューに登録されるようになったり(RAD Connectionsでぐぐってね)、利便性の向上が期待できそう。

速い
  • 起動/シャットダウン
  • スタンバイからの再開
  • ReadyBoost の強化
  • Internet Explorer 8
  • メモリマネージャの改善
  • I/O チューニング
  • Background 実行の拡張
  • サービスのトリガー起動
  • パワーマネージメント
  • 環境に応じたDisplay 照度
  • 必要最小限のドライバロード
  • スタンバイからの再開スピード
  • メモリのフットプリントの低減
  • 起動時のサービス数の低減
  • ドライバの最適化
  • ディスク呼出ロジックの変更
  • 各機能でのメモリ容量削減
  • プロセッサ電力管理の強化
  • バイス電力管理
  • リソース利用の最適化
  • SSD 利用の最適化
  • 検索とインデックス
  • VHD Boot サポート
  • Hot Add/Replace RAM etc.
使いやすい
  • Windows タスクバー
  • ジャンプ リスト
  • エアロの拡張
  • Windows Explore
  • 高解像度 Display 対応
  • RDP の拡張
  • リボン UI の採用
  • ライブラリ
  • スタイル
  • ガジェットの配置拡張
  • UI のカスタマイズ
  • マルチタッチ
  • 検索の関連性の強化
  • 検索フェデレーション
  • ライブラリ検索
  • Explorer からの統合検索
  • HomeGroup (家庭内PCの共有)
  • Location Platform (GPS
  • Windows Codec の対応強化
  • Mobility Center
  • リモート メディア シェア
  • ダイレクトアクセス
  • ブランチキャッシュ
  • リモート デスクトップ改善 etc.
安心
  • BitLocker To Go
  • BitLocker 暗号先の拡張
  • Group Policy 監査の拡張
  • Ad-hoc Backup System
  • ネットワーク バックアップ
  • ファイルシステム暗号化
  • ストリームライン UAC
  • Fault Tolerant Heap
  • バイス互換
  • アプリケーション互換
  • アクションセンターへの統合
  • 指紋認証ログオンの統合
  • Windowsトラブルシュート機能
  • App Locker
  • Multiple Active Firewall Profile
  • DNS Security の拡張(DNSSECサポート)
  • Deployment Toolの拡張
  • Problem Steps Recorder
  • ネットワーク トレース ツール
  • リモートアクセス監視ツール
  • Windows Filtering Platform
  • PowerShell 2.0
  • SmartCard Deploy の改善
  • Windows Recovery etc.
かわいい
  • 正義


ちなみに、この講演の募集メールを見るなり即応募、会社には事後承認でした^^; 会場ではTechnet PlusのキャンペーンコードとWindows 7のDVDをもらったが、私はすでに両方持っていたのでちょっと勿体無い感じ。